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業務機『FHD』ビデオカメラ:『オート機能の落とし穴』画質の荒さの原因を調べたら分かったこと

アスレチック

FHDのビデオカメラは、とてもキレイに撮影出来るので『4Kって必要?』と思ってしまうほどですが、確かに面積量は半端ないと思います。さて、今現在は快適に撮影してはおりますが、始めの頃は意味も分からず、失敗が続きました。

今回は初心に帰り、なぜFHDの画質が荒れてしまうのかを考えてみたいと思います。

暗さに対するメーカーの力量

前提として、こちらは機材マニアではありませんが、一意見として『そういうことも、あるのか』ぐらいに読んで頂けたらと思います。

さて写真屋さんなので、ビデオは専門外ですが一応、業務使用しています。
Canon機メインですが、SONY・Panasonicのビデオカメラも使います。
しかし条件の悪い暗いシーンになると、もはや一律では無いのです。

暗闇では、どうしてもSONYがピカイチで、これは写真でも同じことが言えて、現場で一緒になったカメラマンの『α』に打ちのめされたほどでした。

個人的には『ソニータイマー』に恨みがあるので、極力使いたくはありませんが、こればっかりは完敗です。

ビデオカメラには『ゲイン』という設定があり、それは写真だと『ISO』に値します。要は『画質と明るさ、どちらを取るの?』という究極の選択であり、明るさを選ぶと画質が死んでしまう残酷な分かれ道です。同条件で同じだけゲインを上げても、SONYだけは画質が保たれるほどの大差があるのです。

手ブレ補正もSONYが優秀

お恥ずかしい話、現場にもよりますが、私は撮影開始の5分は緊張で手が震えることがあります。それでやはり『ビデオは向かないかも』と思ったりするのですが、SONYの手ブレ補正はそれを手助けをしてくれるのです。

また、ちょっとした移動のブレにも、ヌメッと粘ってくれるので、この辺り、Canon・Panasonicには真似が出来ない芸当なのだと思います。こういった熟練を要する技術に対し、初心者をアシストしてくれる技術者の努力に感謝致します。

撮影環境の違い

ビデオカメラの使用環境は、写真以上のシビアさがあります。例えば室内がメインの場合、ホワイトバランスも光量も、さほど開きがありません。しかし外撮影の場合、輝度差や色合いは、めまぐるしく変動するので難易度は高くなるはずです。

また反射の影響で、液晶画面が極端に見え辛くなるので、オート設定に頼り過ぎて逆光にやられるという方程式が成り立ってしまいます。

そこで試したのが『ビーチ撮影モード』で、特に人物を撮影する際の逆光で、顔が黒くなるのを抑えることが出来ました。

ゼブラを敷いていても、現場では極端に明るく感じてしまいますが、主役を風景と人物のどちらに置くかで、意見が分かれる表現だと思います。

オートモードと機能制限

現在では、ほとんどマニュアル撮影をしているので、さほど関係ありませんが、当初は機能的な知識不足で悩みました。

実はここからが、この記事のキモです^_^

それは単純に『FHDなのに画質が悪過ぎる』という致命的なダメージでした。とりあえずオート設定にして撮影してみましたが『本当に業務機のFHD?』と思える酷い画質な訳です。それは『カメラがおかしいのか?』と思うぐらいの荒さでした。

調べてみると『とてもキレイに撮れる』と『酷過ぎる』という2つの意見がありました。それで『クセがあるカメラかも』と感じ取った訳です。

これについては、メーカーや機種によって差があるので、一つの可能性として捉えてみて下さい。

さて機能制限の話ですが『これを設定すると、あっちの機能が自動解除されてしまう』というものです。一応、液晶に設定中のモードが表示されるのですが、使いこなしていないうちは気付くことが難しいと思います。

シンプルに考えると、画質の悪さの原因は『ゲイン・ピント』の2つに絞られます。

それでまずはゲインを疑ったのですが、ピーカンの屋外撮影で暗過ぎることは無いと思った訳です。ならば『逆光や反射によるピント迷いなのか?』と考えたのです。

確かに時々、ピントが長く戻って来ない現象が起きることがあったので、そもそもの性能を疑いましたが、合っているはずのシーンでも画質が粗いのですね。

それでマニュアル設定に切替えゲインを、0db(最高画質)に設定してみると、髪の毛一本一本までキレイに写っていたのです。映像の美しさに衝撃を受けると共に『オート機能に何かが起きている』と確信した訳です。

仕入れた情報で『マニュアル撮影以外は有り得ないと思っていたけど、最新型のオートは使える』という声がありました。それで、写真と同じように『オートは数値の組み合わせが、イマイチなのだろう』と思った次第です。

ゲインの最大値を制限する機能

動画は写真と違い、撮影データが表示されません。
これは変動型なので当然ですが『見えないから分からなかった』という結論です。

ここからは想像になるのですが、屋外撮影の明る過ぎる環境で、NDフィルターが作動し、続いて暗さを感じるとND解除ではなく、ゲインを上げてしまうのではないかと推測します。これなら『明るい環境で画質が悪くなること』に説明が付くのです。

『じゃぁ、オート機能は全く使えないの?』となるのですが、ゲインに最大値を制限する機能がちゃんと付いていました。例えば、最大ゲイン値を0dbに設定しておくと、それ以上の暗い場所に行くとNDフィルターを外し絞りを開ける動作が優先されるのです。SSを固定したいのであれば、Tv(シャッタースピード優先)モードにすれば、F値のみオートになります。

ただし『ビーチ撮影モード』などのシーン設定をすると最大ゲイン値が解除され、オートになってしまいます。これの対策としては、NDフィルターをオフ設定にするしか無いようです。

こうなると、オートなのかマニュアルなのか、分からなくなってしまいますよね。

それでも、この仕組みに気付いた時から画質での失敗は無くなりました。無知と言ってしまえばそれまでですが、直面してみなければ分からないことだらけだと感じました。

同じような悩みに直面している方の、ヒントになればと思います。

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