仕事をする上で、指示を出して人に効率良く動いてもらうのは難しい話だと思います。見解は立場や環境よって様々ですが、明らかに難しい点は、縦社会ではなくなりつつあるという部分にあると思います。勿論、縦社会が良いとか悪いという意味ではなく、シンプルではなくなったということが問題なのです。
リーダーの存在とは
具体的に何が難しいかというと、リーダーは命令するのではなく、意見を聞きながら操作をしなくてはならないわけです。一見、理想的な形に見えますが、実は違います。
みんなの理想を叶えることはできないし、そもそも好き勝手にやられても困るのです。
場合によっては、目的と違う方向へ向かってしまうかも知れません。
過去に下記のやり取りで、部下に仕事をしてもらうことがありました。
上司『それでは、作業をAプランで行って下さい。30分で終わる作業です。』
部下『Bプランでやってはダメですか?』
上司『過去にBプランやCプランでも試しましたが、Aプランが1番効率も仕上がりも良かったのです。』
部下『でも私はBプランでやりたいです。』
上司『分かりました、プランは任せます。でも必ず30分で終わらせて下さい。』
結果、時間には間に合わず大幅にタイムスケジュールが狂い、修正するのに他の作業から人材を借りて、事なきを得ました。このやり取りの間違いは明確です。
・上司は、部下の機嫌を損ねないようにリスクを承知でプランを変更した。
・部下は、指示を聞き入れず自分の意見を通した。
しかし考えれば考えるほど、深刻な話だということに気付くのです。それは、信用がないということです。リーダーの形は、現場により様々ですが意味合いは同じでなくてはなりません。
そもそも、指示を出しても聞いてもらえず責任ばかり押し付けられるのであれば、リーダーをやりたいという人がいなくなって当然だとも思います。
企業は学歴で判断する前に、組織の中で役に立つかどうかを考えるべきなのです。
結果から原因を知る
さて、前置きが長くなりましたが本題に入りましょう。
上記のやり取りで『では、どうすればいいの?』という疑問が出ます。
世間では『お互いに思いやりを持って接しましょう』とかが、せいぜいなところです。
しかし状況は、何も変わりませんよね。
そこで試した方法があるんですけど、これにはルールがあります。
それは『相手を説得したり変えるのではなく、自分が変わる』というもの。
原因があって結果があるのだと考えれば、結果が欲しければ原因を追及すべきなのですね。すると、まだ出来る事が残っていることに気付くのです。
そこで、やり取りに工夫をしてみました。
上司『それでは、作業をAプランで行って下さい。30分で終わる作業です。』
部下『Bプランでやってはダメですか?』
上司『あぁ、僕もそう思って前に◯◯さんと一緒にやったんだけど、
結局Aプランがやりやすいってことになってね。』
『それに今日はDの行程が大変そうだから、早く終わらせて
一緒に手伝いに行こうよ。喜ぶよ〜(^_^)』
シーンは違いますが同じような内容です。
効果は覿面。
ちなみに、相手の機嫌を取るようなことはしません。それよりも、第三者の意見や結果を取り入れたり、その後の全体の流れを説明したりして、否定するのではなくお願いするような感じにしました。
あとは、意識して誉めました。
意見を断られると人は不機嫌になりますが、共感や誘うニュアンスを入れると印象が全く違って来るようです。これが自然と出来る人もいるんですけど、それは生まれ付きの能力なので、出来なければ意識してやるしかないようです。
その後、上手く受け入れてもらえない場合は丁寧に説明し、それでもダメな場合は自分の中でラインを引いて、担当を外れてもらうこともありました。
しかし不思議だったのは、その後でした。
あなたのやり方次第
引続きそんな気持ちで接していたら、いつの間にか意見を聞いてくれない人が周りからいなくなっていました。要はこのレベルで対応してもダメな人は、そこにはいられないという感じに環境自体が動いたのです。この時、自分の中のスイッチが切り替わった感じが分かりました。
考え方のアクセスを変えると、ここまで世界が変わるのかぁというおどろき。
しかも、結果が出るまでが早いということ。
ものすごく頑張ったとか怒ったとかではなく、自分にできる目の前のことを一緒に働く仲間と、楽しくやりたいと思っただけなんです。
ちょこっと気付いたことで、相手が有利になるようにしたり声を掛けることで、コミュニケーションが取り易いようにしたりと、それだけなんですよね。自分が変われば、良い人が寄って来ます。すると毒を吐く人は自然と離れて行くようになっているんです。
もしそれでも何も変わらないという人は、確実にやり方が悪いのです。
この法則に気付くと、今よりも確実に楽しく過ごせます。
人はもっとシンプルに生きるべきだと思うのです。