世の中には様々な形があるし、観点も感覚もそれぞれ違うと思うのです。
だから必ずしも一定の定義が無くても良いのだとも思うのですが、これは流石におかしいと感じたのはブラックとも言われている『クラウドソーシング』です。
一昔前に流行った『在宅ワーク』のことですね。
もちろん『嫌なら、やらなければいいのに』というのも正論です。
しかし、働きたくても企業側の提示する時間に添えない主婦や、地域的に通勤が厳しいなどの理由がある方も多いでしょう。
それが『ネット環境』と『スキル』さえあれば叶うのですから『依頼したい側』と『働きたい側』が手を結べる、本来ならば素晴らし提案なのです。
目次
在宅ワーク
世の中には(一般的に)男と女しか存在しません。
だから優秀な人材の半分が女性なはずなのです。しかし結婚や出産、子育てなどがあるので、仕事は簡単にはできないわけです。
そこへ登場したのが、ネットが窓口の『在宅ワーク』でした。
世に出てから結構な年月が経って居ますが、未だに安定を見せないのはなぜでしょうか?
一言で言ってしまえば、システムの矛盾です。
本来ならば、かなり絶賛を受けてもいいはずなのですが、どこで狂ってしまったのでしょうかね。
実際にやってみた
特に自営業は仕事に、波があります。
忙しい時は細胞分裂でもして、自分を2つに分けたい気持ちにもなります。しかし反対の暇な時期もあるので、多少は不安になったりするわけです。
そんな時、空いた時間を『在宅ワークしたいなぁ』と考えるわけです。
もちろん高望みはいたしません。
バイトぐらいの時給で十分です<(_ _)>
そこで実際に登録して、仕事を探してみました。
これが、ものすごい数あるのです。登録者数もかなり多いようです。
いくつかやってみて、分かったことがあります。
高い要求に対して低過ぎる時給
とりあえずいくつか依頼内容を読んでいると、何だかイライラしてきます。
『世の中ってスキルの高い人の割合って、そんなに多いの?』って思うぐらいです。
というのはあまりにも高い要求を突き付けて来るのですが、時給換算すると雀の涙程度なんですよね。これって本気で言っているのでしょうか?
例えば・・・。
WordPressでホームページ制作・・・¥5,000
最低限の構築だけでも、これの10倍は貰いたいです。
色々理想をブッ込んで来る前に、相場と作業時間を知って下さい。
ヤフオクの代理出品(撮影、取引連絡含む)・・・¥40(1件)
これなら自分で仕入れた方が100倍儲かります。
HTMLの知識を要求してくるのはいいですが、HTMLが分かる人は金額も読めます。
動画制作(画像・テキストはネットから探す)・・・¥200(1本)
百歩譲って画像とテキストがあるならば分かりますが、それも探すとなると結構な時間が掛かるはずです。書き込みの時間も一瞬では無理ですよね。
写真加工と文字入れ・・・¥1,500円(100枚)
1枚が1分と考えて100分(1時間40分)で時給900円。
1枚が2分と考えて200分(3時間20分)で時給450円。
1枚が3分と考えて300分(5時間00分)で時給300円。
そもそも素材受け取りの状態にもよりますが、ちゃんと分別している人だったらわざわざ依頼して来ないでしょう。想像するにランダムな名前のファイルと、よく分からない文章ファイルが送られて来て、どの写真にどの文章をはめるのか悩みそうですね。
そう考えると、1枚5分は掛かりそうです。
1枚が5分と考えて500分(8時間20分)で時給180円。
文字入れの作業って、確認も含めると結構面倒なんですよね〜。
絶対にやりません。
文章制作(600文字など)・・・¥100円(1文字0.1〜0.2円)
スキルが関係ないと思いきや『キーワード』や『言い回し』や『指定サイト内の内容とは被らないように』など意外と細かい注文がある場合があります。
文章能力のある人で、せいぜい時給300円程度だと思います。
しかも審査があり、内容が認められなければお給料は出ません。
もちろんマトモな依頼もある
長期で運営しているということは、需要があるので商売がリピートしていることは確かです。優良な案件も多いことでしょう。
一般的な方法で、仕事を外部委託した場合と比べると想像以上に安く上がる場合いも多いはずです。逆に依頼を受ける側も、営業無しで仕事がもらえるということは時間の短縮にも繋がり、言ってしまえば『win-win』なのです。
そして双方が気に入れば、長い付き合いになることは確実です。
しかし、そんな安定した大人たちの付き合いの周辺はトラブルだらけのようです。
ちょっと調べてみると『依頼側』からも『受注側』からも『おかしなやつが多い』という声が上がっていることが分かります。
そもそもモメるためのシステム
運営サイトや会社問わず、大きくなればなるほどクレームやトラブルが多くなるのが普通です。しかしそれを極力減らし、さらに改善していくのが本来のシステムのやるべき形なのだと思います。
しかし『クラウドソーシング』については、もはや手が付けられないほど悪化しているように見えるのです。簡単に言うと『見えない相手の知らない気持ちを読む』という感じでしょうか。
依頼側は『安く、良い商品を手に入れたい』と思っています。
受注側は『自分の技術や時間を高く買ってもらいたい』と思っています。
インターネット上はかなりドライな関係性ですから、相手はいくらでもいるわけです。よってリアルな世界と違い、付き合いや双方の支え合いのような関係性が一切ありません。そもそも案件のスタイルが様々ですから運営側も『お互いに話し合って下さい』としか言いようがないのです。
一応、支払いトラブルが無いように先払いの預かりシステムなどはありますが、そもそも『言った言わない』みたいなケースになるわけです。また、サイト外での支払いを強要されシステム手数料から逃れようとする輩も多いようです。
・作業開始後しばらく経って、案件内容の大幅変更を言い渡され、作業完了分が無駄になったのに追加料金は一切無かった。
・納品完了後の一月後に、追加料金無しで修整依頼が入った。
こんなトラブルがあるようです。
ルールとかって、ないんですかね?
もはや、子供のケンカレベルです。
伝わらなさとの戦い
例えばホームページ制作などの場合、依頼側は知識が無くて作れないから頼むわけです。それを受注側に対して、あまりにも乱暴に制限を掛けているわけです。
そして、そのことには全く気付いていないわけですね。
本来、ホームページ制作は念密な打ち合わせの中で、イメージの交換が必要になるのです。料金に応じて『出来ることの範囲』も広がるわけですからね。
それを全てネット上でやるとなると、なかなか大変そうなのは想像がつきます。
しかもそれを、いちいち説明しなくてはならないわけですから辛いでしょうね。
あと気になるのは案件の依頼内容の不透明さです。
何をどのぐらいの仕事量なのかが書いていないと、恐ろしくて申し込めません。
これは確実にトラブルを招きますよね。
依頼側の苦悩
依頼側としても決して有利ではありません。それは審査を見事にくぐり抜けて来た受注者に、予想通りの能力があるとは限らないからです。
イメージとしては『機関車を運転する、おサルの運転士』でしょうか。
文章の仕事を例に上げると、かわいそうなぐらい文才のない人は存在します。そういった方が長文を提出して来た場合、受け取る方も困ってしまいますよね。だからこそ、依頼と受注のシステムを見直すべきなのです。
クラウドソーシングに限らず、仕事をする上でそういった相手といわゆる事故を起こすことはあるのだと思います。
しかしその確率が、あまりにも高いのです。
おかしな案件を『地雷』と表現されることが多いのですが、見渡す限りの地雷地帯をスキップしながら歩けるほど、僕は強くありません。
それでもやる人がいる
さて、ここからが本当に辛いお話です。
世の中には『それでも、少しでもお金になるなら・・・』と理不尽な要求に対して、飛び込んで行く方がいるのです。
『そんなことやらないで、近所のコンビニでバイトした方が良いよね。』
『せめて、コンビニが近くにあれば・・・』
『それならスーパーのレジとかは?』
『〇〇商店ならば村はずれにあったけど、しばらく開けてないみたい・・・』
『そっ、それならば都会で暮らせば・・・?』
『歩けない母の介護があるので・・・』
『そっ、そっかぁ。何か私にできることがあれば、力になるから・・・』
『ありがとうございます。私が死んだら、骨を拾って頂ければ幸せです・・・』
悲しいですが、結果的にやる人がいるから、運営が成立するのです。
そこには、逃れられない理由があったりもするのです。
そうやって今日まで来てしまったおかげで、ありえないぐらいの賃金になってしまった項目があるわけです。
しかも一定料金まで達しないと、振り込み手数料の方が高くなってしまいますから、埋もれている金額は半端な額ではないはずです。
一見登録数は多いと歌ってはいますが実際の稼動数は、ほんの一部でしょう。
イメージとしては観光客相手の、ぼったくりスナックです。
もっと双方にやさしい仕組みがあるはず
嫌ならやらなければいいだけの話ですが、このままにしておくには実にもったいないと思うのです。やり方を変えれば、もっとすごいビジネスになるはずなんですけどね。
そういえば過去の『ヤフオク』が似たような状態だったように思います。
そこで運営側が思い切った対策を取ったことがありました。
結果として、僕の観点ですが『ヤフオクは変わった』と思うのです。
全く同じ仕組みは通用しませんが、Yahoo!自体もクラウドソーシングの窓口を運営しているので、やってやれないことはないはずです。
すでに、やろうとしているのかも知れませんけどね。
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ヤフオクをやっている方ならご存知かと思いますが『かんたん取引』という新サービスが、2014年10月9日よりスタートしてい ...
後から様子を見て立ち上がった『メルカリ』などのアプリ出品も、ヤフオクトラブルを学びとして取り入れているのは事実です。
モチベーションとはお金である
例えば1時間掛けて、部屋掃除をして欲しいという依頼が2つあったとします。
・時給100円
・時給1,000円
さてあなたは、同じ気持ちで掃除ができるでしょうか?
ちなみに、僕にはできません。
100円ならばそれなりに手を抜きます。パーっと掃除機を掛けて、あとは見えるところだけちょこっと拭く位でしょうか。
1,000円は時間の許す限り、それなりに頑張ります。多少寒かろうが何度も雑巾を絞り、照明の傘も外すなり脚立に上るなりしてしてきれいにします。
『引き受けたからには、どっちも同じ仕事だろ?』とお叱りを受けそうですが、そもそも人をバカにするのは止めてもらいたいと思ってしまうわけです。
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この際、方向性を変える
そもそも格安で頑張れる気合のある人だったら、いっそのこと『アファリエイト』をやった方が確実に儲かります。ブログを作るのに少しだけ苦労するかも知れませんが、後々楽だし結果将来的にも見込みが生まれます。
分かるようになったら逆に『依頼側』になって文章記事を集め、アファリエイトを拡大するのもありですよね。
まぁ、上手く行く保証はありませんけど(/∇\*)
世の中の仕組みが分かったような気がした
世の中には、面白いブログや動画を提供してくれる人々がいます。
とても素晴らしいのですが、それにはやはり種類があるのです。
こうして裏側を覗いて見ると『なるほど、こうやって作られたのかぁ』と思ってしまうようなレベルのモノが沢山あります。それは何となく血の通わないような『ネット上のゴミ』と言われても仕方のない存在なのです。
結局はアクセス集めだけの、一昔前の操作型アファリエイトと同じです。
それに広告料を支払うというのだから、そうなっても仕方ないんですけどね。
ただそんなモノが日々生産されて、あたかも最新情報のような言われ方で人目に触れて情報や知識として位置付けられてしまうのは、ちょっと微妙な感じです。
クラウドソーシング業務受注額の月平均
5000円未満 | 55.9% |
5000円以上1万円未満 | 13.4% |
1万円以上2万円未満 | 9.9% |
2万円以上5万円未満 | 10.5% |
5万円以上10万円未満 | 5.3% |
10万円以上20万円未満 | 2.8% |
20万円以上50万円未満 | 1.2% |
50万円以上100万円未満 | 0.5% |
100万円以上200万円未満 | 0.3% |
200万円以上300万円未満 | 0.0% |
300万円以上 | 0.1% |
こんなアンケート結果がありました。高額の方は見る意味はあまりありません。
可能性があるとすれば10万未満辺りでしょうかね。
ちなみに5,000円未満というのは、10円や100円も含みます。
一件まともな仕事をすれば、5万円未満ぐらいのところまではいけます。
半分以上が登録のみか、頑張っても5、000円の壁を越えられないということです。
5、000円稼ぐとして、これを文章作成の仕事に当てはめてみると、3万文字で原稿用紙(400字で改行無しのびっしり)に換算すると!?
なんと、75枚になります!!
これはいくら作文が上手でも、病気になります。
それこそ小説家にでもなった方が、よっぽど未来が開けるでしょう。
比べちゃダメだけど
仕事って様々な種類があります。
これは、時給で考えた場合の例です。
・1時間ずーっと動きっぱなし、緊張しっぱなし。
・一昔前の深夜のコンビニのように、レジでマンガを読むだけ。
当たり前ですが、同じ1時間なんですよね。
もちろん、楽な仕事が良いということではありません。
ちなみに普通に働く場合は『最低賃金』という制度があり、各県の法令にもよりますが700〜800円位は貰えるのです。
しかしクラウドワークスの場合、1時間をハードに過ごした上に振り込み手数料とシステム手数料、案件によっては交通費なども引かれてしまいます。
色々、不利なんですよね〜。
あとがき
そんなわけで、自信のある方はやってみて下さい。
しかし、不安な人はやめておいた方がいいかも知れません。
広告的な謳い文句で『主婦が月に10万以上稼ぐ』というのがありますけど、あれってほんの一握りだと思った方がいいですね。