カメラマンとは、もはや『何でも屋』です。
写真撮影は当たり前とされ、プラスで何かしなければ需要はありません。
そんな訳で、動画からも逃げられなくなったので、昨年9月に発売された『XA11』をレビューしたいと思います。
目次
機種選びの難しさと印象
現場では『SONY』や『Panasonic』も使うのですが、やはり自分専用機は『Canon』が良いと思っていました。メーカーの違いで言うと色調で、キャノンはどうしても赤が強く出る傾向にあると感じています。
しかしそれを『味』と捉える方も多いようです。
業務機とは言っても、このグレードは微妙です。
その理由として、リングが一つしかありません。
上記は『XF205』ですが、リングが3つあります。
やはりとっさの操作は、断然こちらの方がやりやすいのです。
これが付いて、初めて業務用と呼ぶ方もいるぐらいです。
ただし、それはマニュアル操作の時であって、オートの場合は必要無いかも知れません。ですから撮影する被写体やシーンによって、意見が別れると思います。
あと、アイリス(絞り)の方向がキャノンは逆なので、時々混乱します。SONYやPanasonicは同じなので残念ですね。
ちなみにフォーカスリングの向きは設定で変更可能ですが、アイリスは変更不可でした。事前に分かっていたら、おそらく購入していないでしょうね。それだけ致命的と言えるのです。
手ブレ補正については、やはりソニーが優秀なので勝ち目はありません。
しかし、それでも十分機能していると感じました。
ボデーが軽いので、ズームリングを動かすとブレることがあります。
ちょっとリングは、固めかも知れませんね。
気になるのが、ピント抜けです。
早いズームの場合、しばらく帰って来ないことがあります。
これについては、これからも模索して行きます。
持ちやすさは十分
ハンドルは付属で、サイズは程良いです。
ザラ付き感があるので、滑ることはありません。
マイク部分のオレンジは、自分で付けた隙間スポンジです。
グリップで持つと、とても安定します。
ペダル式ズームも扱いやすいです。
ボタン類については、場所によって押しやすさが異なります。
液晶付け根下の『CUSUTOM』ボタンは押し辛いです。
屋外撮影での液晶は見辛い
開閉式のフードは、カッコ良くて使いやすいです。
液晶画面は動かしやすいのですが、屋外だと光ってしまい見辛いです。
天気や被写体にもよりますが、ファインダーを使用した方が良いかも知れません。
ファインダーは操作しやすく、とても気に入っています。
また、視点が増えるので手ブレ防止にもなります。
カードスロットは2枚で、同時書き込みも可能です。
兄弟機の『XA15』との差はSDI出力の有無ですが、放送局ではないので要りません。
バッテリーはかなり持つ
バッテリーは写真カメラも同様、プロとして絶対にケチれないところです。
なので、大容量(左側)のものを別途購入しました。
外ロケでも、安心して撮影に集中出来ます。
こればっかりは仕方の無いことですが、一応予備知識として大きめの雲台に乗せる場合、クイックシューが干渉してバッテリーが外せないサイズ感です。
画質について
『XF400 / XF405』などの『4K60P』記録機種が同じ時期に発売となった為、正直悩みました。しかしパソコンのスペックや、そもそもの必要性を考え、とりあえずフルハイビジョンで手を打ちました。
画質は、とても綺麗に写ると思いますが、やはり暗いところは苦手ですね。
これは、写真も動画も同じです。
現状では技術も無いので、この機器で満足しています。
時間表示についての疑問
疑問として『撮影時間の表示』があります。
例えば03:00撮影して停止し、次の撮影に入ると、03:01からスタートします。
これは良いのですが、次の撮影は00:00スタートで撮りたい場合は、トータルカウンターをリセットしなくてはならないという手間が発生します。
蓄積したい場合と、リセットしたい場合があるので、両方の表示か設定で切替られればいいのですが、出来ないようですね。
また、ユーザープリセットでも振り分けは不可でした。
付属マイク『AZDEN SGM-PDII』
販売店によるかも知れませんが、アツデンのファンタム電源コンデンサーマイクが付属されていました。一眼動画を始めてから、音声ではかなり悩まされて来ましたが、これぐらいクリアに録れれば十分かと思います。
ホワイトノイズについても、特に問題の無い範囲かと思います。
万能型なので指向性はほどほどですが、カメラのマイクは操作音も拾ってしまうので、無くてはならない存在です。
ちなみにモノラルマイクなので、初めて触る方は片耳からしか聞こえず、びっくりするかも知れませんが、それが正常です。これについてはカメラ側の設定で左右から鳴らすことが可能です。また、後から動画編集ソフトでも直せます。
カメラグリップに付属されている、マイクマウントに取り付けるのですが、マイクが細いので100円ショップの隙間スポンジを貼りました。
風切り音対策のモフモフ
折角なので、風切音対策のモフモフも買いました。
これで一気に、業務用っぽくなりましたね。
街中で一人で回していたら、ただの変態になってしまいそうです。
ちなみに、ウインドジャマーを装着してカメラグリップに装着すると、モフモフの先っちょが写り込んでしまいます。
そこで使いたいのが、付属のクッションゴムマイクアダプターです。
クイックシューに装着します。
これにより、写り込みが改善されました。
もっと長いマイクを使用する場合は、必ずチェックしなくてはならないポイントですね。
余談ですが、ビデオライトを併用する場合、マイク位置はグリップ側が無難です。
色々と干渉テストを行ったのですが、アダプターを増やすと今度は安定性が損なわれ手ブレのリスクが増えてしまいます。
今後買い換える時は、間違いなく3連リングタイプを選びますが、動画入門としては十分なビデオカメラだと思います。
4Kやフルサイズセンサーは進化を続けているので、それを使いこなせるよう練習して行きたいと考えております。