登山

登山:雲取山(09.11.21)

日本百名山

この日本には

数えられないほどの山があるのに

百名山だの 二百名山だの

なぜ ランクを付けるのだろうか

山は どれも美しい

そして 厳しい

ただ それだけのことだ

お犬様の案内

季節は もう

すでに 冬

登山には それなりの覚悟が必要だ

それも 2000mを 超えるとなれば

尚更のことだ

僕は アイゼンを持ち

この山に 挑んだ

登山道へ入り 間もなくのことだ

山の上から

一匹の 犬が降りてきた

僕は犬好きだが

過去に 苦い経験があった

それは 南アルプスでの出来事

バイクを止め 地図を確認していたところ

バックミラーに 大きな黒い影が映った

野犬だ!

大きさは 人間位あった

それが 飛びかかって来たのだ

僕は アクセルを全開にして

ひたすらに 逃げた

間一髪 かわし

バックミラーに 小さくなっていく その姿を見た

山は 怖い

野生は 怖い

もし バイクではなくて

歩いていたとしたら

僕は どうなっていたのだろうか

そして あれから15年

南アルプスには

近寄っていない

それほどに 恐ろしい体験だったのだ

だから 山で犬に出会うと

かなり ドキッとする

しかし この犬は違っていた

しっぽを振って

僕に まとわり付き

道案内を 始めたのだった

道案内をしてくれる 犬は

首輪に 鈴

山荘での飼い犬なのだろうか?

しかし 大ダワ登山道は

登りも きつく

足場も悪い

ちょっと休憩と 立ち止まると

『お前 大丈夫かぁ~?』

という表情で

犬が 迎えに来てしまう

結局 休憩することが できないまま

5時間も 歩かされてしまった

僕が 荷物を

背負っているからといって

それを 降ろしたところで

とうてい 動物には

かなわないだろう

とにかく 足が速い

僕を追いぬいたり または 谷を降って行ったり

人間だったら 転がり落ちてしまいそうな場所も

ガンガン 進んで行く

崖を はいながら登る 僕の横を

サッと 通り過ぎるのだ

こっちは ドキドキだ

『迷惑だから 早く どこかへ行ってくれ!』

なるほど ありがた迷惑とは

こういうことか

身を持って 体験した

大ダワという 展望台へ着くと

犬は 姿を消した

正直 ホッとした

しかし ここからが 男坂

さらに 急な登りが続く

ただ 僕は悩んでいた

そろそろ 引き返さなくては

日没に 間に合わない

犬のおかげで

予定より 早く着くことが出来たのだが

さて どうしたものか

『でも もうちょっと上まで』

この感覚が きっと いつか

僕を 苦しめることになるだろう

ルール違反を犯す

きつい坂を 登りきると

そこには 立派な山小屋が建っていた

『泊っちゃおうかなぁ』

そんな 気持ちが沸いて来た

しかし 予約なしでの山小屋泊は

ルール違反

しかも 命にかかわるので

山小屋側は 断れないのだ

しかし この道中

携帯電話のつながる場所は

全くなかった

まさに タイムスケジュールミスだ

ここは 東京都です

この秋 すでに

4回も雪が降りました

信じられますか?

そうですか 信じられませんか

じゃあ

行ってみますか

『次回は 予約してから来て下さい』

山荘の主人に そう言われてしまった

だが 当然だ

それが ルールなのだ

しかし とにかく

これで帰らなくても よくなった

今回は かなりの疲労感で

気持ちも 折れていた

だから 本当に 助かった

部屋で休んでいると

後から 一人 また 一人と

予約なしチームが 出来上がった

山の話で 盛り上がり

本当に楽しい一時を

過ごすことができた

1日目

日原渓流釣り場 8:30

大ダワ登山道入口 11:00

大ダワ 14:00

雲取山荘 14:30 休憩 15:30

雲取山山頂(2017m) 16:00

雲取山荘 16:40

タイム 7:10

初めての雲海

山小屋では 一人畳一枚あれば

広いと言えるだろう

枕が変わると

なかなか寝付けない僕

しかも 山男の集団

いびきや 歯ぎしり

それに 21時に強制消灯

次回は テント持参で

そう思わせてくれる

素晴らしい夜だった

まだ 薄暗いうちに

山小屋を後にした

尾根で 僕を待っていたのは

しびれるほどの 雲海

『すごい 本当にすごい!』

鳥肌が激しく立つ中

僕は シャッターを切り続けたのだった

来て良かった

本当に良かった

辛い先に待つ 感動

僕の人生も

こう ありたいものだ

2日目

雲取山荘 6:30

小雲取山 7:10

富田新道入口 9:50

日原渓流釣場 12:00

タイム 5:30

タイム合計 12:40

-登山
-

© 2024 MiyabixPhoto