未完成

写真と言葉の未完成な詩集の話 vol.54

もう一度

もう少しだけ

頑張れる

気がしてきた

HDD

外付けの ハードディスクを

買いました

とは言っても

これで 三台目

先日 ちらっと プロパティを覗いてみたら

写真データが

三万枚を 超えていました

ネガが あるならまだしも

データとは 空気みたいなもの

消えてしまったら

きっと 僕は

入院してしまうことでしょう

そうならないように

皆さんも

データの 二重保存を

おススメします

昔 野球をやっていました

試合の前日には

近くの神社に バットを持って行き

『明日は ヒットが打てますように』と

お願いしたものです

結果は 散々

そして 頭にきて

賽銭箱を 蹴飛ばすと

不思議と 次の試合

ホームランを 打っちゃったり

しちゃうのです

本当に バチ当り

要は

強い気持ち ですかね

早起きは 三文の徳

この言葉

カメラマンの

基本です

言ったことに

後悔する

言っても 無駄だったと

後悔する

もう 何も言わないと誓い

それでも また

言ってしまう

そして また

後悔する

やっぱり

分ってほしいのだろう

落ち込んだ時

僕を 救ってくれたのは

音楽と

お笑い番組だった

やる

見た目で

決め付けない

やってから

文句を言う

ほら 結構

悪くないでしょ

蒼然

ぼやけた感じで

色もなく

かと言って

嫌な感じもしない

寂しさの中に

冷静が保たれる

この頃では

こんな表現が

好きになった

久しぶりに 会いたいなぁ

そう 思いながら

もう 何年も経ってしまった

何かと忙しい この時期に

いつも

思うことでした

やっぱり

一人より

二人

文句

実は 鉄塔には

かなりの種類が あります

この子は わりに好きなタイプです

嫌いな子は

写真にすら 撮りません

『何で あんな形にしたのかねぇ? 全然 美しくない!』

鉄塔本来の役目を そっちのけで

文句を言う 僕がいます

それって

わがままでしょうか?

初恋

初恋は まるで

昨日のことのように

そして 後悔は

この先も

ずっと

おしくらまんじゅう

一緒にいると

楽しいね

落石

落石

絶対

落ちる

アイデア

もっと

追い込んで

もっと

しぼり出す

良いとか 悪いじゃなくて

何かが

生まれるはず

いいのか?

このままで

花火

夏空の 花火を

思い出させてくれる

そんな 鮮やかな色に

つい 足を止めた

餌を与えないで下さい

僕が かわいいのは

分るんですが

いや いや

餌を もらうわけには

いきません

CAFE

いつもの 席と

いつもの コーヒー

そして

いつもの

時間

ケーブル

いったい

何を

運んでいるんでしょうかね~

今まで

出来ると思っていた事が

出来ていた事が

出来なくなる

じゃあ その代わりに

何を 得たのだろうか

二人

寒いから

くっついて いたいの

話せば 分る

何事も

よーく 考えてみたら

僕は

幸せでした

トラブルと台風

1991年の夏

日本海を ひたすらに南下し

さて これからどうするべきかと

僕は 悩んでいた

新潟で立ち寄った バイクショップで

オイル交換を済ませると

『良い林道があるよ』と

店主が 教えてくれた

バイクのプロが そう言うのなら

行かないわけには いかない

早速 地図を確認し

沼沢湖へ 向かった

そこには 僕にとって

初めての

大トラブルが待っていたのだ

教えてもらった通り

素晴らしく 走り応えのある林道

オフロードファンならば

満足のいく 楽しい一時であった

沼沢湖に着いたのは すでに夕方

これから テントを張って 食事をしてと

これまで 毎日繰り返してきた事だが

今日は 特に順調だった

大分 旅慣れてきたとも 思っていた

湖畔のキャンプ場で 受付を済ませ

さて テントを張ろうと思った瞬間

僕は 目を疑ったのだった

テントが ない

くくり付けた荷物の真中に

ぽっかりと 穴が開いているのだ

テントがないということは

家がないのと 同じこと

そして これから 夜を迎える

夏とはいえ ここは山の中だ

気温は それなりに下がる

『どうしよう?!』

とにかく 僕は

来た道を 戻ることにした

しばらく走ると

何やら 見覚えのある色が

道端に 落ちている

『あれだ! 僕の(親父の)テントだ!』

バイクを停め とにかく拾い上げてみる

ちょっと 一安心したのも束の間

あれ ポール(テントの骨組み)がない

また 走り出し

バラバラと 点在する ポールを回収したのだった

しかし 残念なことに

この道を 後から走ってきた車に

引かれてしまったようで

ポールは バキバキと折れていた

キャンプ場へ戻ると

もう 陽は暮れようとしていた

骨組みの折れたテントを

無理やりに 組み立てる

昨日までの あの美しいフォルムは

見る影もなく

何とも いびつで 今にも壊れそうな

そんな 我が家が

出来上がったのだった

テントには 修復部品というのがある

要は 折れたポールを

正常につなぎ合わせる部品だ

それを駆使しても

あまりにも 骨折部分が多すぎて

対応しきれないのであった

何はともあれ 家があるということは

実に 喜ばしい事である

食事を済ませ 眠りについたはずだった

しかし 悪夢は これからやって来るのであった

真夜中に サイレンの音で目を覚ます

『水位が上がります! ご注意下さい!』

それは 台風の接近を

知らせるものだった

現代とは違い

携帯電話など 普及していない時代

当然 お天気情報の

気軽な入手は 困難で

雨が降れば カッパを着る

それが 旅先でのルールだった

それから 間もなくして

台風が やって来た

それはもう 凄まじく

家にいるよりも

まさに 台風とは こんなにすごいものなのかと

体を張って 体感したのだ

テントを 中から押さえつけ

倒れないように 必死に抵抗する

しかも 大切なテントは 骨折中

今までの 感謝のお返しに

僕は必死で

中からテントを 守り続けたのだった

気が付くと 朝になっていた

昨日の夜が 嘘のように晴れ渡り

素晴らしい青空が 僕を迎えてくれた

そのまま また 何処かへ

そんな気持ちにもなったのだが

やはり テントが壊れてしまったということは

致命的で その日のうちに

帰ることにした

しかし 17歳の挑戦にしては

あまりにも 大きく

そして

大冒険であった

今 思えば

バカヤローだが

あの時の僕が

今の僕を

確実に 作り上げているのだ

『よく 頑張った!』

今は そう 言ってあげたい

所要時間 12日間

走行距離 3060km

金額累計 30969円

(91.08)

突然

突然は

あまりにも 突然で

さよならも 言えず

ありがとうも

言えない

信じず

聞いて 分ったことがある

見て 分ったことがある

聞いても 見ても

分らないこともある

すべて

すべてのことに

意味があって

その都度 僕に

問いかける

どう思う?

そして

どうするべきなんだ? って

初心

乗り越えると

自信がつく

自信がつくと

初心を忘れる

だから

偉くなってはいけない

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齋藤雅哉 写真集 2008

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齋藤雅哉 写真集 2009

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