写真論

『失敗しない一眼レフのレンズ選び』買う前に知っておくべき話

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カメラ用品は色々ありますが一眼レフを手に入れたら、次に欲しくなるのは確実にレンズだと思います。一眼レフの魅力は、その豊富な交換レンズにありますから当然です。
では、どんなレンズを選べばいいのでしょうか?

今回は誰もが直面する、基本的な疑問を解説いたします。

セットを買ってしまう前に

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一眼レフを買う際に『セットレンズ』というのを見たことがある方も多いと思います。
内容としてはこんな感じでしょうか。

・カメラボディー
・標準レンズ
・望遠レンズ

メーカー純正なので、間違いのないチョイスだと思います。
しかし、レンズの性能ランクとしては高いとは言えません。

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まだカメラのことが何も分からないとか、撮りたいものが決まっていないというのであれば、セットを買うのもいいですが、近い将来に買い換えるのであれば、初めからワンランク上を購入するのもオススメです。

カメラボディーは2個ほど型落ちになれば、買い換えたくなるものです。
しかしレンズは、ほぼ一生ものだと思います。

撮影の腕が上がってくると、標準セットでは物足りなくなってくるのは明確です。

欲張らず、欲しい性能を手に入れる

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最近のコンデジの進化が素晴らしいことは、十分理解していますが、それでも一眼レフとコンデジを比べると、その画質は格が違います。大きくて重たいということは、無理することなく性能を詰め込めるということなのです。

※ 今回はフルサイズ演算の数値を使用します。

同じことがレンズ単体にも言えて、ズーム幅(28~300mmなど)を広げて便利さを求めれば、画質が落ちてしまいます。

こういったレンズは特に暗い環境が苦手です。
電車旅行などで荷物が制限されてしまう場合には重宝しますが、上質な作品作りには向いていません。

標準とされる無理のない幅は(28-75mm)程度となるのです。
すると撮影する際、口角側でも望遠側でも取り込める光の量が多くなり、暗く条件の悪い場所でも有利な撮影ができるのです。

 同じズーム幅のレンズがあるとして、性能の違いを見る方法があります。

・28-105mm F3.5-5.6
・28-105mm F4

注目するのは『F』以降の数字です。
ちなみに『F』とは『絞り』を意味していて、光の量を示します。
小さいほど光を取り込める量が多くなります。

『F3.5-5.6』は口角側では絞りが『3.5』で望遠側は『5.6』になるという意味です。

一方『4』の方は、口角でも望遠でも数値は変わらないということになります。
ズームを変えても光を一定量に保てるので、結果的に操作設定が簡単になります。 

レンズの種類を知る

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一言で交換レンズと言っても、多くの種類がありますので解説いたします。

単焦点レンズ

全ての領域で存在し、ズーム機能がないレンズ。
ズームレンズより性能がはるかに上で、絞り値が小さく光を多く取り込めます。それにより美しいボケをが表現できる強みがあります。

マクロレンズ

レンズ構造が通常とは逆で、被写体に近付ける距離が極端に短い単焦点レンズです。
小さな花などを大きく表現できます。
ポートレイトにも有効で、35mm〜180mmぐらいの範囲の商品があります。

魚眼レンズ(8〜15mm周辺)

元々は気象データ収集が目的でした。
空を全部移せる撮影範囲の広さが売りです。
通常撮影に使うと、標準域ではありえない面白い表現が可能となります。

口角レンズ(16〜35mm周辺)

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建築撮影などに使い部屋を広く見せたり、大きな建造物を一枚に収められる特長があります。風景にも向き、周辺が歪み湾曲するため迫力のある表現が可能です。

標準レンズ(28〜75mm周辺)

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一般的な領域で、見た目を収められる『50mm』辺りを中心としています。『標準で初まり、標準で終わる』という言葉があるぐらい、利用頻度も生産数も多いレンズです。

望遠レンズ(70〜200mm周辺)

遠くの被写体を大きく写す長くて重たいレンズです。
標準域に慣れてくると、欲しくなる領域です。
画角が歪まないのと背景のボケが期待できるので、ポートレイトなどにも有効です。

超望遠レンズ(300〜1000mm以上)

望遠レンズ

レンズというよりバズーカー的な存在で、野生動物やスポーツカメラマンが使用しています。お値段もそれなりで、100万円を超えるものも多いです。

撮影目的を考える

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レンズの種類が分かったところで、改めて何が撮りたいかを考えます。
ちなみにプロカメラマンも全ての領域は撮りません。超口角や超望遠はむしろ特殊な部門と言ってもいいでしょう。

基本として標準域は絶対に必要だと思います。
その後どの部門を撮りたいかということですね。
できることならば、極力高画質での作品作りをしたいものです。

最終的に『全てのレンズを経験してみたい』という気持ちになるとは思います。
では、自分に合った決め方をご紹介いたします。

まずは、標準ズームで撮ります。そしても、もどかしさを感じて下さい。

・遠くのものを大きく撮りたい・・・ズームレンズ
・小さなものを大きく撮りたい・・・マクロレンズ

きっと多くの方は、上記の2つに大別されると思います。
そして次は、こうなります。

・今よりも高画質に撮りたい・・・単焦点レンズ・F値の小さな標準ズームレンズ
・面白く変わった表現がしたい・・・魚眼レンズ・超口角レンズ

上記を一通り経験すると、レンズのことは大体分かるようになっているはずです。

純正以外のメーカーについて

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純正レンズは間違いありません。これは絶対です。
しかし、予算のこともありますよね。

それで、風景などの被写体が動かない撮影の場合は、レンズ専用メーカーを使うのもいいでしょう。

しかし動きの激しい動体を撮るのであれば、純正メーカーをお勧めいたします。
これについては、オートフォーカスでのピントの精度やスピードが追いつかず、致命的な失敗を招く確率が高くなるからです。

最近ではレンズ専用メーカーも優秀ですが、それでも純正には敵いません。
価格は性能に比例するのが、カメラ業界の常識です。

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