三脚についての見解は、必ず意見が割れます。なぜなら最高の一本は有り得ないからです。軽いものは細く不安定、重いものは太く安定しますが持ち運びが現実的ではありません。だから被写体やシーンによって使い分けるしかありません。
今回、中間を担う三脚が壊れ(改造しようとして壊した)新しく『ベルボン』を購入したので、使用感をレビューしたいと思います。また、動画三脚として兼用するアイデアも紹介します。
安定性は抜群
これまで一番長く使って来たのは『SLIK』のロック式でした。フィルム時代から一緒にいたので、ほとんどの現場を共にしたことになります。まさに、一心同体です。
ただ、一つだけ欠点を上げるならば、雲台と本体を繋ぐネジが短いことでした。これにより過去、400mmの落下事故を経験しています。『まさか雲台ごと落ちるとは・・・。』しかし今思えば、高い授業料の結果を確実に得たと感じています。
ロック式については、一般的に壊れやすいとされていますが、何十年も使用して不備を感じたことはありませんでした。強いて言えば、極寒の地での撮影後、凍り付いて畳めなくなったことはありましたけどね^ - ^
ちなみに壊れてからしぼらく、代替えとしてネジ込み式を使いましたが、やはりスピードに欠けるのです。ちょっとした傾き修正がストレスとなりました。
しかし冒頭で書いた通り、どちらが正解とかではありません。ネジ込み式は現在も立派に、物撮りの現場で活躍しております^ - ^
さて、今回購入したのはこれです。
三脚足の段数ですが、4段では不安定になりそうなので、3段を選択しました。そしてポールは、ある程度太さのあるものにしました。強風の中の長時間露光でもない限り、ブレることはまず無いでしょう。もし、これに対してダメ出しをするのであれば、撮影方法をもっと工夫すべきでしょうね。
ロックは、カチッと具合が心地良いです。贅沢を言わせてもらうと、他モデルにあった『メモリ表示』があれば、ノーベル平和賞は間違いなかったはず。
・全高:1790mm
・EVスライド:400mm
・最低高:295mm
・縮長:670mm
・脚径:29mm / 段数 : 3段
・脚ロック方式:レバー式
・本体質量:2420g
・推奨積載質量:3.0kg
・スペアシュー:QRA-35L
クイックシューが標準装備
まず目を引くのが雲台の『クイックシュー』です。ベルボン愛用の方は分かはずですが『QRA-635LII 』は最強パーツと言えるでしょう。安価なフニャフニャシューが無駄に付いているより、世界平和に繋がること間違い無しです。
別途、現場での素早い機材差し替えに備え複数枚持っているので、相互性としては抜群なのです。雲台は手持ちのものもあるので、特に気になりませんでしたが、最近では『フリー』より『3ウェイ』の方が水平が取りやすい気がしています。
ただ一応、厳密な水平調節について付属の雲台だと、やや扱い辛さを感じました。
でも、普通に使う分には十分な性能です。
ケースも付属ですが、ネジ込み式のパン棒を外さないと入らないので使用していません。
風対策『S字フック』
センターポールの下側には、ネジが切ってあります。
こんなネジを、取り付けられるんですね。
他にもアイデア次第で、モニターやライト類なども可能です。
ただ注意点として、三脚を最短に畳むと地面とフックが干渉してしまいます。
よって付けっ放しは出来ず、伸ばした時のみの使用となるでしょう。
ここで、あるある問題なのですが、カメラ変換ネジが仕込んであるので三脚側に3/8メスが残ってしまうことがあるんですよね。まぁ、これってカメラネジ業界の永遠のテーマかも知れませんけどね。
クイックシューで雲台交換
購入の前提として、写真と動画の両方で使いたいと考えておりました。
本来、動画にはビデオ用を使用すべきなのでしょうけど、写真もビデオも求められる現場では無理なのです。
色々試す中で辿り着いたのが、クイックシューを三脚と雲台の間に取り付けるという方法でした。
雲台の上に動画用雲台を乗せる『雲台オン雲台』がでも良かったのですが、高さが出てしまうという欠点が残りました。
これなら、省スペースで済みます。
雲台を差し替える作戦ですね。
通常撮影は、このようにして使います。
安定感については、全く問題ありませんでした。
こちらは商品撮りの時に使う、微調整に優れたギア雲台です。
かなり贅沢かと思いますが、シューの上にシューを付けいています。
ちなみに、この『ギア雲台』は最強です。
数ミリの微調整は、もはやこれがなければ出来ません。
一生、使い続けるアイテムになるはずです。
こちらは、ビデオ雲台です。動画用は、水平調節機能が備わっていませんので、雲台の下に水平器をかます必要があります。
レベリングユニットは、それほど傾かないので平らではない場所では、3Way雲台にビデオ雲台を乗せた方が仕事が早いでしょう。
これだけクイックシューに頼り切っている人も珍しいと思いますが、道具で速さと安全性が得られるので、買わない訳には行かないのです^_^