シャッタースピードを体感しよう
『一眼レフを買ったけど、よく分からないから使わなくなった』そんな話を耳にします。結局はコンパクトカメラが『使いやすくて便利』という結論に辿り着いてしまったようです。う〜ん、もったいないオバケが出ちゃいますよっ(>_<)
優先順位
何でもそうですが、むずかしく考えることは良くありません。
そもそも『一眼レフ』という名称がむずかしさを連想させるのでしょうかね。
確かにボタンやダイヤルがいっぱい付いていますから、迷ってしまうのでしょう。
でもね、昔から言われている通り『知らないボタンは押してはいけない』のです。
爆発するかも知れませんからね(T-T)
すごく初歩的な話なのかも知れませんが、理解している方も復習だと思って聞いて下さいね。
撮影をする際、まず決めなくてはならないことがあります。
それは、何を優先させるかです。
普段カメラを構えた時、どこまで考えているでしょうか?
・主役に目が行くように背景をボカしたい。
・手前から奥まで、ハッキリ見せたい。
・動きのある画にしたい。
他にもたくさんありますが、説明しきれないのでこのぐらいにします。
カメラを上から見ると、だいたいダイヤルが付いていて『P・A・T・M』と書いてあるはずです。
(B・Cとか他にもいくつかありますが、とりあえず無視)
『P』はプログラムオートという意味で、簡単に説明すると『コンデジと同じ』でシャッターを押せば、後はカメラが勝手に決めてくれるというものです。『M』はマニュアルで、TとAの合わせ技です。なのでこの2つは仲間に入れません。
ダイヤル | 意味 | 優先事項 |
T | シャッタースピード優先 | 時間 |
A | 絞り優先 | 光量 |
表にするほどでもないのですが、カメラを支配してるのって、この2つしかないのです。
それを見てくれや名称で、むずかしく感じているだけなのです。
では実験。
1.目をつぶり、右手で拳を作ります。
2.腕を伸ばし、目線の高さで左から右へ移動させましょう。
3.その時、正面の位置で高速で『まばたき』をしましょう。
はいっ、残像が残りましたね。
目の前に、拳の画が残っているはずです。
では同じように、
1.目をつぶり、右手で拳を作ります。
2.腕を伸ばし、目線の高さで左から右へ移動させましょう。
3.その時、正面の位置でゆっくり『まばたき』をしましょう。
どうでしょうか?
拳は左から右へ、ビヨーンと長い残像になっているはずです。
『T』の正体
これは前者の『高速まばたき』と同様の『早いシャッタースピード』の設定で撮った写真です。
砕け散る波の粒が、荒々しく表現されています。
『A』の正体
次に後者の『ゆっくりまばたき』と同様の『遅いシャッタースピード』の設定で撮った写真です。
走っている車はブレ、止まっているバスはブレずに写っているわけです。
このように『T』シャッタースピードは
- 動きを止めたい。
- 動かしたい。
という表現を優先的にコントロールできる機能なのです。有効なシーンは
- スポーツなどの動きが速い被写体。
- 光量がめまぐるしく変わるライブ会場。
- 滝の水の流れの表現。
- 鉄道写真。
などなどありますが、工夫をすればその世界観はもっと広がることでしょう。
しかし、表があれば裏があるように、どんな状況でもシャッタースピードを自由にコントロールできるとは限りません。それは対照的であり、かつ比例する『絞り』の存在があるからです。
写真にとって、最も重要なものは『光』です。光量を操ることにより、もっと多彩な表現が可能となります。 次回はその『絞り』について体感して頂きます。
ではまた、後編で(・_・)/~~
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だから一眼レフは、むずしくないんだってばぁ〜(後編)
前編では、シャッタースピード(Tモード)について体感してもらいました。よって今回はその反対側にある、絞り(Aモード)につ ...