レンズの基本的概念として、絞った方が本来の性能を引き出せます。数値で言うと『F8』辺りが理想なのですが、それと良い写真とは別の話です。
さて、表現の幅を持たせる為、明るい開放レンズを使うと『ピントの甘さ』に必ず直面してしまいます。写真とはピントさえ合えば簡単だと思ってしまうほどの難題ですが、今回はやっと辿り着いた解決アイテムを紹介致します。
これで合わなければ、諦めた方がいいでしょう。
『Kamerar QV-1』の外観
商品を見て頂ければ分かると思いますが、巨大なアイカップで液晶モニターを覗くアイテムです。外光による反射を抑え、細部まで確認することが可能です。
赤いリング部にはストラップ穴、その手前のダイヤルは距離調整です。
アイカップは取り外して、好みの角度に取り付け可能です。
縦位置、横位置の覗き辛さがあるかと思いきや、全く心配不要でした。
三脚ネジに付属のプレートを取り付けます。コインで締めるタイプなので『取り外しが面倒だなぁ』と思っていましたが、プレート自体に三脚ネジが切ってあるので、そのまま雲台にもクイックシューにも装着可能でした。
脱着はとても簡単。
数秒で出来ます。
強力なマグネットに、挿入するだけです。
初めて使用する際に、上記画像の3本ネジと三脚ネジで位置調節をします。
とっても、簡単です。
一度決めたら、同じカメラでは調節不要です。
カメラに装着
こんな感じで、カチッとハマります。
安定の覗き口。
当然ですが、小さくはありません。
長年のテーマであるピントを手に入れる訳ですから、文句は言いません。
中判カメラで撮っていると思えば、大きさは気にならないはず・・・。
アイカップ下側の爪を押すと開きます。
これで、通常の液晶表示が可能です。
クライアントと相談しながらの撮影には、有効ですね。
ミラーレス時代の技術
『QV-1』を使うのであれば、もはやミラーレス一眼でも良いように思います。最近は目を検知してピントを合わせてくれたりと、かなり高性能になりましたからね。
そもそも液晶内のポイントで目に合わせても、数センチ単位の調整は絶対に不可能です。このオートフォーカスについて『このカメラは、このレンズは』と議論からケンカに発展している人達って、どこに着地するのでしょうかね。
液晶撮影の最大のメリットである『拡大表示によるマニュアルピント合わせ』ですが、画角を決め、そのまま動かさずポイント移動から拡大し、リングを回しシャッターを切るので、画角をキープ出来るかが鍵となるでしょう。
とにかくボタンの位置を覚えなくてはなりませんが、慣れてしまえば大丈夫。
場合によっては、一脚や三脚を使えば良いだけの話ですよね。
液晶ビュー撮影時はミラーアップになるの為、振動ボケが起きにくいので、スローシャッターでも、ある程度は耐えられます。液晶ピントは絶対なので、ポートレート時のまつ毛に感動するはずです。アイデアとしては、オートフォーカス機能の無いオールドレンズを使用することも可能となりました。
一つだけ欠点があるとすれば、それはスピードです。
特にモデル撮影はコミュニケーション命ですから、カメラマンがモタついていると、良い表情を逃してしまいます。しかし、今までのような連射や、絶望的なピント外しで苦しむことはなくなるはずです。
ちなみに、Canonであれば『7D』や『5D2』など、古いタイプのカメラの方が相性が良いです。なぜなら旧タイプのボタン配列は、右手親指の位置にズームがあるからです。新タイプだと左手親指に拡大ボタンがある為、特に縦位置で撮る際に一度ピントリングから指を外さなくてはなりません。
これって、致命的なんですよね。
そろそろ、旧タイプは手放そうと思っていたのですが『QV-1』のおかげで現役復活です。思い入れもあるし、何度も助けてもらった相棒ですから、光が確保出来る現場であれば、まだまだ活躍してくれることでしょう。
同じような悩みをお持ちの手詰まりから脱出しい方は、迷わず購入して下さい。
絶対に、損はさせません。